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私たちの育て方

Fruits Health 果樹の健康を考えて

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植物を元気に、また美味しい果実を成らすために一番大事なものは植物ホルモンである。
樹が根を張るのも、芽を出すのも、花をつけるのも、多くのことは植物ホルモンが大きく関与しています。
当園では植物体内に目を向けどうすれば植物が元気に健康になるか(植物ホルモンが活性化するか)に重点を置いた栽培を心がけています。

では、どうすれば樹が元気になるのか?
具体的には樹の枝を立てる事です。
一般的な栽培方法では枝にまんべんなく光を当てるために、
立っている枝は切り落とされ、枝を横に広げるように剪定をします。
当園では樹が元気になるように、立っている枝を利用し枝が立つように剪定をしています。
確かに光を当てる事は光合成をする上で大事な事だが、
それよりも樹を元気にする立っている枝を切ってしまう弊害の方が大きいと考えているからです。

さらに果実の味作りにも植物ホルモンが大きく作用しています。
枝の切り方、摘果の仕方等、細かなことでも植物ホルモンの作用の仕方が大きくかわってきます。
植物ホルモンを活性化させることにより、元気な樹を作れば肥料や農薬に頼ることが少なくなってきます。
必要以上の肥料は果実の味を損ねるばかりではなく、病害虫を招く要因になります。

当園では肥料や農薬に頼りすぎず、植物が本来持っている力を最大限発揮出来るような栽培を心がけています。
植物生理を理解した栽培をしているからこそ、健康な樹に育つのです。

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樹を元気に、また品質の高い果実を作るのに重要な作業は大きく2つ。
剪定と摘果です。

かんきつ類はとても繊細です。
剪定時に枝を切る量、どんな枝を切ったか、枝の切り口はどうなっているかによって、
花の着く量や出来上がる果実の品質が大きく左右します。
剪定を間違えると、花が極端に少なくなったり、果実がゴツゴツした実になったり、糖度にも大きく影響します。

また同一の品種でも、樹の状態により早い時期に剪定した方が良い樹や遅い時期に剪定をした方が良い樹もあります。
当園では剪定時に、枝を切る量・切り口・どんな枝を切るか、いつ切るか、
様々な点に注意を向けて樹が元気になるように、美味しい果実が出来るように熟考しながら剪定をしています。

摘果時にも細心の注意を払います。
摘果をする時期、果実を落とす量、果実の成っている位置・向きによって出来上がりの品質が大きくかわります。
かんきつの品種により、適した摘果時期や摘果量は違いますし、
同じ品種でも実の付き方によって、適した摘果時期や摘果量は違います。
当園では1本1本実の付き方を確認しながら、いつ摘果すれば良いか、どれくらい実を落とせば良いかを見極め、
1本1本細心の注意を払いながら摘果をしています。

剪定でも摘果でも畑毎に一斉に作業するのではなく、
1本1本の樹をよく観察し、樹の状態によって作業を進めています。

温州みかん

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一般的な剪定をすると隔年結果(1年毎に豊作・不作を繰り返す)しやすい。
そうなると生産量はもちろんのこと果実の味も安定しづらくなります。
隔年結果を軽減できるよう、樹によって剪定時期や枝を切る量を見極めながら剪定している。
(今年豊作予想の樹は剪定時期を早く、不作予想の樹は剪定時期を遅く、枝を切る量を少なめにする。)

摘果も非常に重要。早く摘果をし過ぎると大玉の実になり、味も大味になりやすい。
逆に摘果が遅くなると、小玉の実になり味は美味しくなるが、樹への負担が大きくなり、隔年結果の要因にもなる。
実を落とす量によっても同様のことが言える。

さらに、実の付いている場所や向きによっても出来上がりの果実の品質が大きく違う。
樹の内側の実は糖度や着色が乗りづらく、樹の中心の上部になっている実を早く落としすぎると、
成っている実全体の糖度が上がりづらくなる。
実のヘタの部分が下向きになっている実は糖度が上がりづらい。
さらに天候(主に降水量)によっても出来上がりの品質が大きく左右される。
これら全ての事を総合的に判断し、この樹はいつどの部分の実をどの程度摘果すれば良いかを判断して摘果している。
例えば樹によって、7月・8月・9月と複数回摘果する樹もあれば、9月になってようやく摘果をする樹もある。
たくさん実を落とす樹もあれば、少ししか実を落とさない樹もある。

はるみ

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基本的には温州みかんに同じ。
温州みかんに比べ、隔年結果性が強く樹も衰弱しやすいので、樹への負担を軽くするため早めに摘果を行っている。

レモン

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剪定の仕方は基本的には温州みかんに同じ。
レモンは基本的には摘果はしない。
10月初旬頃より、1ヶ月に1度位の間隔で大きくなった実から順次収穫している。
ただし、寒さに弱いため1月上旬には全ての実を収穫するようにしている。
かいよう病に弱いので、他のかんきつ類の農薬散布に加え、
必要に応じて銅水和剤(節減対象農薬ではなく、散布間隔・回数に制限はない)を散布している。

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私たちが育てている梅には、「青梅」と「紀州南高梅(完熟梅)」があります。
土中への肥料や節減対象農薬は使用せずに栽培している。
栄養補給のために、100%鰹エキスのアミノ酸資材を数回葉面散布している。
樹の健康状態の維持、また実への著しい病斑を防ぐため必要に応じて
硫黄水和剤(節減対象農薬ではなく、散布間隔・回数に制限はない)を散布しています。

梅は樹が非常に大きく・高くなりやすいため
一般的には徒長枝(真上に向かって伸びている枝)は根元から切り落とされる。
しかしこの徒長枝は非常に元気な枝でこれを全て切り落としてしまうと、
樹のホルモンバランスが崩れ樹が衰弱しやすくなってしまう。
当園では、この徒長枝を全て切り落とさず利用し植物ホルモンのバランスをとりながら
樹が活き活きと枝を伸ばせるように栽培しています。
土中に肥料を施してないので、果実にアンモニアを含みません。なので、実は腐りにくく健康的です。
えぐみが少なく非常に香り高い実となります。

Agriculture Chemical

必要な栄養素だけを自然由来の肥料から体内へ

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生命を維持するために、我々人間と同じように植物にも3大栄養素とされるものがあります。
窒素・リン酸・カリウムです。
中でも窒素が最重要視されています。

確かにこれらの栄養素は植物が生命を維持していくうえで欠かせないものですが、
過剰に投与し過ぎると植物体内にとっては大きな弊害となります。

例えば窒素。これは土中に施されると分解されアンモニアとして植物体内に吸収されます。
その後形を変え、アミノ酸→タンパク質となって植物体内に取り込まれていきます。

はじめに吸収されるアンモニアは生物にとっては有害な物です。
動物では尿として体外へ排出しますが、植物はそれができません。
なので、植物は雨が降ると必要以上に水を吸って体内のアンモニア濃度を下げようとします。
よく知られる雨降り後に収穫した果実は糖度が下がるという事実はこのことが大きく起因しています。

さらに少しでもアンモニアを体外に排出しようと、果実や枝葉にアンモニアを送ります。
果実は動物にとられたり、落果したりします。枝葉に送ったアンモニアは虫を寄せて虫に吸ってもらうためです。
アンモニアを多く含んだ果実は腐りやすく、また口にする私たちにとっても健康的ではありません。

過剰な肥料は植物体内への弊害が大きくなり、さらには口にする私たちにとっても健康的ではありません。
当園では直接アミノ酸として吸収されやすい上質な有機質肥料を
樹が体を維持するために必要な量だけ施すようにしています。

肥料や農薬の見える化

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当園は肥料、農薬を極限まで減らして栽培を行っておりますが、まったく使用していないわけではありません。
ただし、口にしても皮まで安全なレベルになるように、散布する回数・間隔を熟考しております。
また収穫前の最低 2 か月以内にはすべての節減対象農薬を散布しておりません。
紫外線により分解されたり、自然の雨風でそれらは洗い流されたりし、
出荷時には安心安全な状態でお客様にお届けできます。
(ただし、果樹に自然のほこりなどが付着していることがありますから、
皮を口に入れる際には必ず洗ってからお口にいれてください。)

そこで私たちはよりお客様に安心をご提供するために
それぞれの果実の成長過程においての処方箋を公開することとしました。
人間にカルテがあるように、植物にもカルテがなければなりません。
こうした「見える化」を行うことで商品を手に取ったお客様がより安心して食べることができるように致しました。

トレーサビリティについて

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